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【外部発表のご紹介】グリーン・ファーム・リハビリテーション®における効果について~身体機能の改善に必要な実施頻度に着目して~

2015年から本格的に始動し、今では多くの患者様にご参加いただくようになったグリーン・ファーム・リハビリテーション®。活動が本格化した当時から大学病院、企業との共同研究事業として効果の実証に向けた研究活動にも取り組み院内外の学会などでも少しずつ成果発表を重ねています。

今回は2019年2月に開催された第6回京都府作業療法学会、2019年2月に開催された第13回京都大原記念病院グループ研究大会で発表した『身体機能の改善に必要な実施頻度』に着目しまとめた演題をご紹介します。

※本記事の最下部より抄録がご覧いただけます。

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グリーン・ファーム・リハビリテーション®における効果について

~身体機能の改善に必要な実施頻度に着目して~

 

2015年からグリーン・ファーム・リハビリテーション®のリハビリ効果について研究活動を行っています。2017年の研究では、脳血管障害により認知機能・前頭葉機能が低下した方にグリーン・ファーム・リハビリテーション®を実施した結果、前頭葉機能・精神機能面(活気)への効果がみられました。

農林水産省の報告では健康な高齢者が農作業を実施することで運動効果が得られるとあり、グリーン・ファーム・リハビリテーション®は身体機能面の改善にも効果が期待できると考えました。また、グリーン・ファーム・リハビリテーション®を実施するにあたり、身体機能の改善に必要な農作業の実施頻度は明らかでないため、改善に必要なグリーン・ファーム・リハビリテーション®の実施頻度を明らかにすることとしました。

今回の研究では、握力・バランス能力・歩行スピードについて、グリーン・ファーム・リハビリテーション®の実施群と未実施群の比較検討を行いました。対象は発症から3ヶ月未満の脳血管障害で運動麻痺を呈した男女4名です。実施群は68歳、69歳の男女2名、未実施群は76歳と86歳の男性2名です。

4名とも運動麻痺は軽度で、歩行が可能です。農作業は、種まき、誘引、間引き、水やり、草引き、収穫のいずれかを1回40分、週3~4回の頻度で1ヶ月間実施し、握力・バランス能力・歩行スピードの変化の確認と日常生活の観察を随時行いました。結果は、実施群は未実施群と比べバランス能力で良い結果がみられました。不整地での作業やリーチ動作がバランス能力の向上に有効であったと考えています。

今回の研究では、グリーン・ファーム・リハビリテーション®の効果として、従来のリハビリテーションに加え、複合的な身体機能が求められるグリーン・ファーム・リハビリテーション®を週4回40分/日の実施頻度で行うことで、握力、バランス能力、歩行スピードの改善がより得られやすいことが示唆されました。しかし、対象者の属性に差があることや事例数が少ない検証であり実施頻度の比較までは至っていないため、今後はその点もふまえ、引き続きグリーン・ファーム・リハビリテーション®のリハビリ効果について検証していきます。

 

  • ■抄録はこちら
  • 第6回京都府作業療法学会 こちら
  • 第13回京都大原記念病院グループ研究大会 こちら

 

※写真は2019年4月の作業風景であり、本演題とは関係ございません。

※グリーン・ファーム・リハビリテーション®は、医療法人社団 行陵会の登録商標です。

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