
01. HAL®プログラム とは?
装着型サイボーグHAL®は、装着者の皮膚表面に貼付するセンサーで神経信号が皮膚表面に漏れ出た『生体電位信号』を検出して動作を支援することで、装着した方の意思に従った歩行を実現します。HAL®を装着して歩行運動を繰り返すことで、歩行機能の改善を目指します。京都大原記念病院は2021年9月に、京都府で初めて医療用下肢タイプを導入しました。従来の「神経・筋10疾患」に加え「脳血管障害」などの患者様にもプログラムを活用しています。
02. 神経・筋10疾患
- 脊髄性筋萎縮症
- 球脊髄性筋萎縮症
- 筋萎縮性側索硬化症
- シャルコー・マリー・トゥース病
- 遠位型ミオパチー
- 封入体筋炎
- 先天性ミオパチー
- 筋ジストロフィー
- HTLV-1関連脊髄症(HAM)
- 遺伝性痙性対麻痺
03. 対象となる方
日常生活は車椅子を使用しているが、治療中、平行棒や歩行器・T字杖を使用すれば 10 ~ 30m 程度
歩行することができる。
<体重> 40 ~ 100kg
<身長> 150 ~ 185 ㎝
このようなご状態の方にも実施しています。
● 屋内で、少しの手助け(軽介助)か、見守りがあれば歩行することができる。
(自立には至っていない)
● 屋内では自力で歩行することができるが、屋外では車椅子を使用している。
プログラムご利用の流れ
3~4週間の入院プログラムで、週 3 回、各 40 分、合計 9 回 HAL® を実施します
実施場所 : 御所南リハビリテーションクリニック
- 入院前適合判定
- <到達目標>現状と取り組む目標や計画を理解できるHAL® について理解できる
実施場所 : 京都大原記念病院
- 第1~2週
- <到達目標>
HAL® に慣れて安全に歩行することができる
通常訓練でも積極的に歩行することができる
- 第2~3週
- <到達目標>
HAL® 使用時の歩行距離が拡大する
HAL® 使用時の歩行速度が速くなる
- 第3~4週
- <到達目標>
通常歩行時の歩行距離が拡大する
通常歩行時の歩行速度が速くなる
- 退院
- <到達目標>
身体機能の変化を理解し、退院後の生活に活かす(実践する)ことができる
適合除外要件
以下に当てはまる方は原則として本プログラムの対象外となります。ただし、例外的に医師が適切と判断しご利用いただける場合もございます
- 対象となる関節 ( 股関節・膝関節・足関節 ) に他者が力を加えても動かすことが困難な強い筋緊張がある
- 明らかな運動失調がある
- 四肢、あるいは体幹に明らかな不随意運動がある
- 動作の手順や注意点などの簡単な説明が理解できない(危険行為があり、転倒のリスクなどが高い)
- 妊娠している
- 著しい関節障害(変形、炎症、脱臼等)を有する
- 明らかに、装着型サイボーグ HAL® を装着することが可能な体型でない (HAL® の大腿長、下腿長、腸骨幅、大腿囲、および下腿囲の調節範囲を明らかに超えてしまう体型である )
- その他、担当医師が不適格と判断する症状がある(例:コントロール不良な高血圧、心不全、著しい骨の脆弱性など)
- 心臓ペースメーカーなど能動型埋込医療機器を使用している