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ドクター登場!木村泉医師(内科) 「音楽療法とモ-ツァルト療法」

今春、着任された京都大原記念病院の木村泉医師(内科)のコラムをご紹介します。

音楽療法とモ-ツァルト療法

近年主に薬物や手術を使う通常の医療に対し、薬物や手術等に頼らない代替医療が盛んに行われるようになった。代替療法には嗅覚刺激を利用したアロマセラピ-、視覚を利用したカラ-セラピ-、その他多数のセラピ-が行われるようになったがその内容は玉石混合である。

一般に普及しつつある療法の一つに音楽療法がある。音楽療法とは音楽を用いた様々な療法の総称である。音楽療法は大きく分けると音楽に合わせて歌ったり踊ったり楽器を演奏したりする能動的音楽療法と音楽を聴くことを主とする受動的音楽療法に大別される。いずれもストレスやストレスを起因とする病気等の補助的治療として有効であると言われている。能動的音楽療法は適切な音楽療法士のもとで行われる必要があるが、受動的音楽療法は方法がわかれば各個人で施行が可能である。

受動的音楽療法の中で少し特殊ではあるがモ-ツァルト療法というのがある。これはモ-ツァルトの様々な音楽を聴くことによりストレスに起因する体調不良や病気を改善できるというものである。モ-ツァルト療法は埼玉医大短期大学名誉教授(専門は免疫学)で私の友人でもある和合治久氏がその有効性を提唱、研究成果を公表されている。

氏によるとモ-ツァルトの音楽には4000Hz付近の高周波数の音が含まれるものが多くこの作用で自律神経の不調が是正されるとのことである。従ってその効果は音楽そのものと関係が薄いとのことである。一般的にはモ-ツァルトの何曲かあるバイオリン協奏曲等が有効であるとのこと。結果心身をリラックスさせるベータ・エンドルフィンやメラトニンなどのホルモン様物質の血中での増加、NK細胞等の人体に有用な免疫細胞の活性化をもたらすとのことである。またモ-ツァルトの音楽を30分程度聞くと唾液中のIgA(免疫グロブリンで抗ウィルス活性がある)が増加することが証明されている。その結果体調不良改善やや感染症予防が期待されるようである。

CD等の音源があればどなたでも簡単にできるので、ぜひ一度お試しされたらいかがでしょうか。

 

【Profile】

木村泉(きむらいずみ)

日本循環器学会認定 循環器専門医

NPO法人 日本ホリスティック医学協会 理事

日本臨床音楽研究会 理事

 

 

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