NEURO
NEUROとは
NEURO(NovEl Intervention Using Repetitive TMS and Intensive Occupational Therapy)とは、東京慈恵会医科大学付属病院リハビリテーション科の安保雅博教授グループが世界に先駆けて考案した、脳卒中後上肢麻痺(手指の麻痺)に対する革新的治療アプローチを指します。
以前には、TMSを適用することで確かに脳卒中後の上肢麻痺は改善するものの、その程度は軽微で効果の持続も短いとされていました。これに対して、NEUROは、ただTMSを適用するのみでなく、それに並行して集中的なリハビリを行うことで、上肢運動機能の回復をより確固たるもの(回復が顕著で効果が持続する)にしようとの考えから開発されたアプローチ法です。
健常な大脳組織を刺激することにより、機能代償を活発化
一般的にTMS療法は、上肢麻痺改善に有用ですが、その効果は軽微、持続期間も短いとされています。
これに対して、世界に先駆けて東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座の安保雅博教授グループが体系化した、最新リハビリテーション治療プログラムが「ニューロ・リハビリテーション」、NEURO(NovEl Intervention Using Repetitive TMS and Intensive Occupational Therapy)です。
NEUROは、TMS療法にて左右の脳のバランスを整え、その状態で良質なリハビリテーションを行うと、脳の可塑性が高まり脳卒中上肢麻痺が改善するという革新的アプローチです。
入院治療を必要とし、期間は15日となります(NEURO15:ニューロ・フィフティーン)。 入院後は連日、磁気刺激治療を行いながら、上肢を中心とした個別リハビリを施行します。
リハビリ訓練スケジュール
「上肢麻痺」や「歩行障害」にお悩みの方が目指す到達目標
- STEP1
- 現状と取り組む目標や計画を理解する。
- STEP2
- 基本となる体の動き方に慣れる。リハビリ以外の時間で、自主訓練ができる。
- STEP3
- 変化した体の使い方を生活動作に取り入れ習熟できる。
良好な体の使い方を覚える。
リハビリ終了後(退院後)の生活管理ができる。
- STEP4
- 身体機能の回復や変化を理解する。リハビリ終了後(退院後)の生活管理ができる。
「失語」にお悩みの方が目指す到達目標
- STEP1
- 現状と取り組む目標や計画を理解する。
- STEP2
- 残存するコミュニケーション能力で周囲と会話できる。
言語聴覚療法以外の時間で、自主訓練ができる。
- STEP3
- 変化した言語機能を日常生活で使うことができる。
自発的に自主訓練を実施している。
- STEP4
- 言語機能の回復や変化を理解する。
注意事項
NEURO15 -TMS療法-経頭蓋磁気刺激療法を安全にお受けいただくために下記適応基準に合うかどうか確認させて頂きます。
- 脳卒中(脳卒中・脳内出血・クモ膜下出血)が原因で
a:上肢麻痺がある b:歩行障害がある c:失語症がある
(発語がスムーズでない、言葉とっさに出てこない、単語を思い出せない、複雑な文が理解できない、などの症状がある)
- a:自分で手指を曲げることができる(手を握ることができる)
b:杖や装具を用いて、見守りや独力で10mは歩くことができる
c:2〜4語からなる文を話すことができ、日常生活で使用頻度の高い語を復唱することができる
- 日常生活が自立している=自ら移動できるなど、生活上では介護を必要としない
- 全身状態が良好である=発熱、栄養障害、重度心疾患、体力低下などがない
- 少なくとも一年間は痙攣(けいれん)の症状が出ていない
- 頭蓋内に金属(クリップなど)が入っていない
- 心臓にペースメーカーが入っていない
- 透析をしていない
- うつ病でない
- 認知機能に問題がない(認知症でない)
- 年齢が16歳以上である
- 麻痺が両側性ではない(どちらか片側は正常である)