第4回!元気な体をつくりましょう!「運動で大切なのは継続性 」
京都大原記念病院 副院長 三橋尚志 医師が「元気な体をつくりましょう!」と題して「元気な身体を作りましょう」と題して、「ロコトレ(ロコモーショントレーニング)」「サルコペニア体操」「フレイル予防」について解説します。内容は11月3日(火・祝)にオンラインで開催された2020丸竹夷オンライン祭りで講演したものです。採録記事として全4回の掲載を予定しています。本記事は第4回となります。(第3回目はこちら)
運動で大切なのは「継続性」
「わかりやすい」「効果が目に見えて分かる」「楽しむ」ことが大切
これまでの連載内容をまとめたいと思います。ポイントは大きく5つです。
- しっかり食べられるよう、口の中をケアする。(場合によってはかかりつけの歯科受診を!)
- 筋肉を保つため肉・魚・卵等の動物性の食品も食べる
- 有酸素運動と筋トレを無理のない範囲で行う
- ボランティア・サークルなど社会活動に参加する
- 骨粗鬆症の食事療法も重要
合わせて、最後に運動について大切なポイントをお伝えします。一番大切なのは「継続性」です。言われた時だけ取り組むのでは意味がありません。しっかりと継続していくことが大切であり、そのためには3つのポイントがあると思います。
1つ目は何より「わかりやすい」こと。いろいろ言われても「さっき何を言われたかわからない・・・」では続けることはできません。2つ目に「効果が目に見えてわかる」こと。サルコペニアについて触れた時、歩く能力の衰えを一番感じた場面で横断歩道を青信号で渡り切れなくなったという例を挙げました。例えばこうした状態にあった方が、運動をつづけた結果、余裕をもって渡り切れるようになった。そのように目に見えて結果が分かることも大事です。最後は「楽しい」ことです。2019年に踊りを通じて健康づくりを目指す行事に参加しました。その時、とても楽しく自分でも不思議なくらいにニコニコしながら、気がつけば最後まで踊っていました。やはり楽しみが運動を継続するうえで重要な要素になっていると思います。
皆さんにも、ぜひ楽しみながら、なおかつ自分でその結果を再認識して、安全に運動をつづけていただければと思います。一人でやるのではなく、みんなでやるのも大切かもしれません。そうすれば健康な毎日をより長く過ごしていただけるのではないかと思います。
サルコペニア体操
自宅でできる簡単な6種類の体操
ここからは主に「体幹」「下肢筋力」を強化するための6つの体操をご紹介します。
1.上体起こし
目標:10秒10回
体幹のトレーニング「上体起こし」です。仰向きに寝て両膝を立て、頭を上げておへそを覗き込む。頭を上げたまま10秒間数え、ゆっくり元に戻します。10回を目指しましょう。10秒に至らなくても「ひとーつ、ふたーつ」とゆっくり5つくらい数えるくらいでもよいと思います。無理のないように取り組んでください。
2.骨盤運動(ドローイン)
目標:10秒15回
体幹のトレーニング「運動(ドローイン)」です。仰向きに寝て両膝を立て、お腹に手を当て、息を吐きながらお腹をへこませます。お尻を床に押し付けて10秒間数え、力を抜きます。15回
3.お尻上げ
目標:10秒15回
体幹のトレーニング「お尻上げ」です。仰向きに寝て両膝を立て、お尻を床から少し浮かして10秒数えて戻します。腰を反らしすぎないように注意しましょう。2、3回から、無理のないように取り組んでください。
4.腿上げ
目標:5秒10回
椅子に座り、右足の大腿の裏を膝から離すように盛り上げ、もち上げたまま膝を伸ばして5秒数えましょう。太ももからグッ!と上げることがポイントです。
5.足上げ(側臥位)
目標:5秒15回
横向きに寝て上にある足を5秒数えながら膝を伸ばしたまま上に上げます。戻すときも5秒数えながら下ろしましょう。
6.足上げ(うつ伏せ)
目標:5秒10回
うつ伏せに寝て右足の膝を伸ばしたまま上に動かします。お尻から動かすように意識しましょう。上に足を上げて5秒停止。上げては休憩して、上げては休憩して。自身でクールを設定して取り組みましょう。
■解説
三橋尚志 Takashi Mitsuhashi
- ■役職等
- 京都大原記念病院 副院長
- 京都大原記念病院グループ 医療連携室 室長
- 一般社団法人 回復期リハビリテーション病棟協会 会長
- ■資格等
- 日本リハビリテーション医学会指導医
- 日本整形外科学会指導医
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