ドクター登場!堀尾 玲子 医師(神経内科)ダイエット
今春着任された京都大原記念病院の常勤医 堀尾 玲子医師(神経内科)のエッセイです。
京都大原記念病院に就職して、早くも半年近くなりました。今回は内科医と言う立場からではなく、一読者として、食欲の秋を前に、長年の関心の的であるダイエットについて書いてみようと思います。
ダイエットでまず思い浮かんだのは、1年ほど前に読んだ「あなたのゼイ肉、落とします」(作・垣谷美雨)です。体型に悩む人々に大庭小萬里(おおば・こまり)なる謎の人物が的確なアドバイスを与える事で身も心も軽くなれる短編小説集です。
この中で強烈に印象づけられたのは、謎の人物・大庭小萬里は誰もが納得のスレンダー美魔女ではなく、一見冴えない中年体型のおばさんだったことです。けれども小萬里は言います。「私の体はゼイ肉ではないの」。そう言われてみると二の腕は筋肉で盛り上がっているのが確認できるとの描写でした。
ダイエットトレーナーの森拓郎さんも別の著書の中で言っておられます。「減らすのは体脂肪です。水分や筋肉ではありません」。「食事制限して、サウナ入ってガンガンに水分減らして『痩せたー! ダイエット成功‼ 体重減った』って、違いますよ‼」。「減ったのは筋肉や水分量であって、その分体脂肪の割合が増えて、代謝が落ちているよ」とのことです。
本当のダイエットは体重を減らすというよりも、過剰な体脂肪を減らし、個々人の体調に合わせて、ある程度の体重と筋肉量を維持し、健康状態を維持することのようです。表向きの数値にとらわれず、筋肉量や骨密度などが重要ですが、それ以前に「何故、体脂肪をため込むことになったのか、心の健康に問題ありませんか?」という問いかけが、実はこの小説のメインの趣旨であり、あらためて体重や健康について考え直すきっかけになりました。
数値は指標にはもってこいであり、数値での選抜は学生時代から経験していることです。ただ何事も「表向きのわかり易い数値ではない、中身だよ。要はハートだよ」と言う方向にシフトしていっている今日この頃だと思っているのは私だけでしょうか(汗)。
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