リハビリレポート

車いす生活から自力歩行 脳卒中の後遺症で左半身に麻痺

一日も早い回復を願って、毎日一生懸命にリハビリに取り組む患者さんの日常をご紹介する「おおはらリハビリ日記」のコーナー

今回はNさん60代(取材当時)・男性に話を伺いました。

 

▼車いす生活から自力歩行 生活動作もほとんどOK

脳卒中の後遺症で左半身に麻痺がありますが、リハビリのおかげでかなり改善しました。車いすから自力歩行に移行でき、生活動作の大半がスムーズにできるようになりました。自分でもここまで動けるようになるとは思いもしなかったほどです。退院後も自分の事は自分でできるように、外来でリハビリに取り組んでいきたいと思っています。

足のほうは理学療法士さんの指導で、ひざや足首のマッサージや曲げ伸ばしから始めます。仰向けに寝でひざを抱えて引き寄せるストレッチや、股関節を支点に両足を空中で回転させる自転車こぎなどで足全体の筋肉をほぐします。片足スクワットで足首周りも鍛えるのですが、実はこの動きができるようになったおかげで、和式トイレも使えるようになりました。生活に安心感が出て、大変うれしいことでした。

京都大原記念病院に転院した段階では車いす生活で、立つのがやっとの状態でした。8月半ばには病院内を杖なしで歩く許可が出て、今は階段を一段飛ばしで登ることもできます。病院の周回路一周半、約1.2キロが歩けるようになりました。杖を持たないほうが体から余分な力が抜けてかえって歩きやすいほどで、手が自由になったのも感激です。

手の動きと生活動作は佐藤さんに診てもらいます。以前は物をつかむことはできても力のコントロールができないので、チューブから練り歯磨きを出し過ぎて散乱させるなどの不自由がありました。リハビリの時間にも、親指と人差し指でビー玉やドングリを容器から容器に移し替えるのですが、感覚がないものだから、散らばってしまいます。そのため日常生活で左手を使えるようなプログラムを組んでもらい、おかげで今ではプラスチックだけでなく陶器のお椀も持てますし、汁物が入っていても保持できるようになりました。

さらに細かい左手の動きが得られるようにと、3センチ程度の小さな木片を穴に出し入れするメニューもこなします。前は持っていても感覚がなかったのに、徐々に健常な右手と同じような感覚に近づいている気がします。

▼体が動けば気分も前向き 退院しても外来で継続へ

6月21日午前10時ごろ、トイレから出ようとしたとき体に力が入らずしゃがみこんでしまいました。手すりを持てず妻を呼んで救急車で搬送してもらったところ、脳幹の血管が切れて運動を司る部分がやられているとのことで手術はできないとのことでした。降圧剤を点滴してもらい、ICU(集中治療室)に一週間にいて一般病棟に移りました。

主治医からは「このまま帰っても寝たきりになるから」と転院を勧められ、紹介を受けた中から評判などを聞いて京都大原記念病院に7月11日にやってきました。その時は、せめて歩けるようになればいいと思っていましたが、療法士の方の指示に従ってやっていくうちに、当時は考えられなかったほど体が動くようになり、それに伴って気分も前向きになってきます。

退院してからは家族をしっかり支えていけるように、外来でリハビリを継続していきたいと考えています。

▼リハビリテーションプロフィール

Nさん・京都市伏見区、60歳代)「来たときには『せめて杖をついて歩けるようにしてほしい』とお願いしましたが、今でははるか先まで体が動くようになりました」と表情は明るい。京呉服の製造販売の会社を数年前に定年退職し、自宅で過ごす中での発症だった。以前から血圧が高めで最高が180ほどあり、かかりつけの医師から塩分や脂っこいものを控えるよう、特に好きなラーメンを食べすぎないよう注意されていた。

趣味は仏像鑑賞でお勧めは三十三間堂。約千体の一つ一つに個性があるからだという。鎌倉時代のものが好きだといい「俵屋宗達の風神雷神図に通じるような躍動感があります」と理由を語る。退院したら再開に期待がつながる。

仕事の都合で息子が水曜日、妻が金曜日に見舞いに来る。90歳近い母親は昔編み物の先生をしていた。そんな母の影響かNさんもリハビリの時間に三つ編みに作ったビニールひもを杖の握り部分につけて励みにしている。帰宅して親孝行に努めるのも楽しみの一つだ。

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