リハビリレポート

待望の自力歩行が可能に 脳出血の後遺症で右半分の麻痺

一日も早い回復を願って、毎日一生懸命にリハビリに取り組む患者さんの日常をご紹介する「おおはらリハビリ日記」のコーナー

今回はTさん70代(取材当時)・男性に話を伺いました。

 

▼筋トレやストレッチ重ね 待望の自力歩行が可能に

脳出血の後遺症で右半身に麻痺がありますが、リハビリを続けて手足共にかなり良くなってきました。入院当初は立つことさえできず、再び歩けるようになるとは思っていなかったのですが、今は自力歩行も可能になりました。生活動作もかなりの部分カバーできるようになり、細かい作業が現在の課題です。

担当の理学療法士と作業療法士は二人とも熱心に指導してくれます。理学療法士の時間は歩行や筋トレ、ストレッチが中心です。自転車のような形のニューステップという機械に乗って、手足を動かします。同時に曲げ伸ばしできるので、リハビリをしている実感があります。12センチの段差の小さな階段を使う練習もあります。登るのは何とかなりますが、降りるのが怖いです。これがうまくできないと地下鉄やバスをうまく使えるようにならないので頑張って取り組んでいます。自主トレでも歩いたり腰をひねる体操を行ったりしています。

作業療法の時間は肩や腰、背中のマッサージから始めてもらいます。いすに座っての前屈もしますが、右の背中や脇腹上部がどうしても伸びにくい気がします。指先の関節の細かい動きを高めるため、マス目に鉛筆で線を引きます。作業療法士さんからは「自分の指が動いているのをイメージしてから線を引いてください」と指導されるのですが、これがなかなか難しいです。遠心力で肩が自然に動くように、500グラムの重りを右手で前後に振ったりもします。趣味のサックスの持ち運びができるようにと、3キロの重りを右肩に掛けて運んだりもします。

▼入浴中に突然手足動かず 忘れていた動作取り戻す

2015年12月21日夕方の入浴中に動けなくなりました。浴槽から出ようとしてももがくばかりで、おぼれないようにと湯を抜いたのですが、その後も30分以上も横倒しのままもがいていました。幸い妻が帰ってきたので大声を上げて見つけてもらい救急車で運ばれて入院しました。その間のことはあまりはっきり記憶にありません。その病院ではほぼ寝たきりで、医師からリハビリテーションが必要と言われて京都大原記念病院を紹介してもらい2016年1月12日に転院しました。

リハビリを開始したのですが初めは何もできなくて、言われるままにするだけでした。仰向けになって右手を挙げて小さく円を描くのですができません。手を空中で留めようとしてもだらんと垂れてしまいます。右手で字を書こうとしても震えてしまって書けません。そんな状態だったのが、そのうち体が動くようになっていき、とても新鮮な感覚でした。

発症当初は歩けなかった足も、四つんばいになったり両ひざを着いたり、壁に寄りかかって立ったりしながら、体が忘れている部分を一つずつ教えてもらいながら積み重ねてきたおかげで、4月には発症以来使ってきた車いすを手放すことができました。自力で歩けますが杖があると心強いので持つようにしています。

手のほうは、左手での支え方を教えてもらい字も書けるようになりました。リハビリを兼ねて大学ノートに毎日10行ほど日記を書いています。

自分でもここまで回復できて驚いています。もちろん課題はまだまだあります。私のよく使う阪急桂駅は乗降客が多く、降りるとき左右の握り棒をつかめずに焦ってしまうことがあります。そのような生活場面で起きる様々な状況を克服できるように、これからもリハビリを続けていきたいと思います。

▼リハビリテーションプロフィール

Tさん(京都市西京区、72歳)広島県竹原市出身。大学卒業時に大阪府教委の教員として応募した際、京都に一番近いからと高槻市での勤務を希望した。実際には一つ大阪市寄りの茨木市で勤務することとなり、小学校の教育現場と茨木市教委とほぼ交互に勤務した。高度成長期に多くの住宅団地が開発された同市ではその後の市民の高齢化で児童数が減り、それに合わせて教員の数も減らすため、市教委時代には仲間に退職勧奨を行わざるを得なかったという。

教委指導主事や指導課長、小学校の教頭、校長を務めて59歳で退職。その後はサックスや和太鼓といった趣味を中心に過ごしてきた。ウオーキングも好きで、日に10~12キロ、月20日以上歩いてきた。

病気で趣味は中断しているが、自宅近くには苔寺や鈴虫寺といった名所もあり、また歩いてみたいという。和太鼓のように力を入れて打つのは、同時に体のリハビリにもなるからと楽しみにしている。ただサックスのほうは「指を早く動かさないといけないので、先になるでしょうね」と言いながらも、帰宅して元の生活に戻るのを楽しみにしている。

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