リハビリレポート

重心正し腹と股関節鍛え 義足付けての歩き方習う

一日も早い回復を願って、毎日一生懸命にリハビリに取り組む患者さんの日常をご紹介する「おおはらリハビリ日記」のコーナー
 

今回はYさん60代(取材当時)・女性に話を伺いました。

 

▼重心正し腹と股関節鍛え 義足付けての歩き方習う

交通事故で左足を太ももから切断しました。京都大原記念病院では義足を使っての歩き方のリハビリを受けています。事故の手術の後は「生かさせていただいた」と感謝しました。それだけでもありがたいのですが、自分の力で再び立てた時は感激でした。家庭生活にも趣味にも、まだまだ頑張りたいので、義足を使いこなして歩けるようになるのを目標にしています。

担当のスタッフは二人とも明るく熱心で、厳しくかつ優しく接してくれます。他に義肢装具士がリハビリの時間に立ち会って、義足の適合を見て調整してくれることがあります。初めて義足をつけたのは、事故から3カ月ほどたってからで、その時は立つことや歩き方さえ忘れていました。

理学療法の時間に歩行練習をしますが、今でもまっすぐ歩くのは一苦労です。左足がないので体の重心が右に偏ってしまい、姿勢が右にずれてしまいます。理学療法士さんからは「おなかとお尻に力を入れて、義足の中の断端でも踏ん張って体を支えるようにしてください」と指導を受けます。鏡で全身をチェックして歩いてみるのですが、事故の前は何の気なしに歩けていたのに、こんなに難しいとは思いもしませんでした。

作業療法の時間は切断部の周囲の筋肉をマッサージしてもらった後、掃除機や物干しなど家事動作と、股関節周囲の筋と腹筋を中心にした筋力トレーニングを行います。小型ゴムボールを股関節に挟んで内ももと腹筋に力を入れたり、寝転んで上体を起こして右ひざを引き寄せたり、横向きに寝てひじ立ちをしたり―。それを数セット繰り返すのですから終わったら汗だらけで、冬でも十分半袖で過ごせるほどです。

▼使いこなせば歩行便利に 自分にできることを挑戦

2015年9月5日午後3時頃でした。私は故郷の福井県小浜市に別宅があって、ほとんど毎週車で通っているのですが、その日は考え事をしていたせいか、国道367号線の花折トンネルを抜けたところで、道路左側のガードレールに突っ込んでしまいました。ガードレールの先端がフロントガラスを突き破って運悪く左足に刺さり、太ももが半分ほど切れてしまいました。

地元の人が救急車とパトカーを呼んでくれましたが1時間半ほど待たされ、さらに折れ曲がった車体を切断しないといけなかったので、その間ずっと運転席に閉じ込められたままでした。同乗の夫はリクライニングを倒して寝ていたのが幸いしたのか無事でしたが、血だらけの私を見てびっくりしていました。ようやく運び出され、ドクターヘリで搬送されたのですが、医師からは「生きたいのなら足を切らないといけないですよ」と告げられました。その時は命が助かった喜びのほうが大きく、足を切断するというショックはあまりありませんでした。

股関節から10センチくらいのところで切断する手術を受け、その後は車いすでの生活が始まりました。病院からの勧めもあって自宅から近い京都大原記念病院に10月27日に転院しました。

ここでは日に3時間ものリハビリがあり、おかげで歩行もかなり改善しました。義足のひざにはコンピューターが入っていて、急激なひざ折れを防止してくれます。うまく使いこなせば坂道や階段を両足で交互に下りることができます。

今はまだ義足をつけるのはリハビリの時間だけなので、それ以外の時間に右足のスクワットなど自分でできることをしながら、頑張ってリハビリに取り組みたいと思います。

▼リハビリテーションプロフィール

Yさん(60代、京都市左京区)家業は仏壇仏具販売会社で、長年夫とともに経営に携わってきた。今なお経理を担当している。だが夫が腰を痛め杖なしでは歩けない状態で、Yさんが介護に携わるさなかの事故だった。義足を使いこなし、思い通りに動けるようになって、普通の生活をするのが願いだ。

ゴルフが好きで、滋賀県甲賀市信楽町のコースのほかハワイにもプレーに出かけたことがある。再開は難しくなったが、たまたま乗ったタクシーで「グラウンドゴルフならできるのではないですか」と勧められた。一度やってみたいと思っている。

小浜市の別宅には友人を呼んで歓談するのが好きだった。8月1日の同市の花火大会の観賞会やクリスマスには30人ほどが集まってくる。その準備と接待もYさんの役目だ。「友だちに手伝ってもらいますが、今年も頑張ります」と今から楽しみにしている。庭にバラが30数本植わっており、その手入れもしたいという。

病院にはYさんより年長の患者がたくさんいるが応援してもらうと励みになるといい、梅が咲いた病院の周囲を半そで姿で元気に歩いている。

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