リハビリレポート

脳梗塞の後遺症とリハビリ 筋力回復が現在の目標に

一日も早い回復を願って、毎日一生懸命にリハビリに取り組む患者さんの日常をご紹介する「おおはらリハビリ日記」のコーナー

今回はHさん70代(取材当時)・男性に話を伺いました。

2015年11月2日(月)

▼厳しく丁寧な指導に感謝 筋力回復が現在の目標に

脳梗塞の後遺症で左手足に麻痺が残っていますが、京都大原記念病院でリハビリを重ね、たいていの生活動作はできるようになりました。ただ重いものが持てないので、筋力をつけることが今の課題です。

担当の療法士は厳しくかつ丁寧に教えてくれます。30回しかできないのに「30回やってください」とか言われます。悪いところを治そうとしてくれるのが分かるので、音を上げそうになっても苦にはなりません。最初は言語聴覚士にもついてもらいましたが、幸い言語のほうは支障なく話せるようになり、転院後一カ月ほどで打ち切ることができました。

作業療法士には手の動きと生活動作を診てもらいます。肩周りをほぐし、ひじや指を一本ずつ曲げ伸ばしをしてもらいます。手のひらを内側に曲げたり、うつ伏せになって両ひじに体重をかけて状態を持ち上げたりもします。筋肉をほぐしてもらうと楽になりますが、左肩を下にする体勢では痛みもあります。

左手で様々なことができるようにと、お手玉を箱に入れたり出したり、トランプをめくったりという動作も行います。メニューの合間には細い棒を垂直に立てたまま動かさずに保持しながら、療法士の準備が終わるのを待ちます。

理学療法士には肩と腰回り、歩き方を診てもらいます。仰向けになってみぞおちに1キロの重りを乗せて、ろっ骨に手を当てて深呼吸をします。

背中や首の後ろが凝っていないかどうか押してもらったりもします。エルゴメーター(自転車こぎ)を10分間行いますが、足の動きが滑らかになり、その後は歩くのも楽になります。最初は車いすで移動していましたが、今は杖でどこでも行けるので、間もなく手放すつもりです。晴れた日は病院の周回路を一緒に歩いてもらいながら、秋の大原の風情を楽しんだりします。ただ杖なしでの歩行は療法士の方が付いてくれる時間に限られます。早く自力でできるようになりたいですね。

▼出血少なく不幸中の幸い 生活動作はほとんどOK

5月15日午後1時ごろのことです。昼寝から目覚めて立ち上がろうとするのですが、手も足も思うように動きません。無理に立とうとして倒れてしまい、物音に気付いた娘が飛んできて救急車を呼んでくれました。私は以前、糖尿病で診てもらった病院に運んでくれるように頼みました。

脳梗塞と診断されましたが、幸い出血が少ないとのことで手術の必要はなく、点滴を受けながら様子を見ました。2週間は救急病棟で、あとは一般病棟に移りました。ただ左手足に麻痺が残り、言葉のほうも舌が曲がっていたせいか、こちらはしゃべっているつもりでも相手は聞き取りにくかったと思います。そのため言語と手、足の3カ所のリハビリを3週間目あたりに開始しました。

発症からひと月後にリハビリのための転院を勧められました。三つの候補中で、「京都大原記念病院は、リハビリは厳しいが早く治る可能性がある」と聞いて選び、6月5日に転院しました。

その後は上記のように、密度の高いリハビリの毎日となりました。おかげで入浴の際の衣類の着脱やシャンプーを使っての洗髪、トイレ動作など、たいていの生活動作は一人でできます。退院後にどんな形でリハビリを続けるかも、療法士の方や他の病院スタッフと相談していますが、病気をする前の自分に少しずつでも戻っていけるのを、大変うれしく感じています。

▼リハビリテーションプロフィール

滋賀県に住む娘さんが週一回見舞いに来てくれる。健康を心配し、「糖尿病があるので食べたいものがあっても、主治医の先生に問い合わせてからでないと食べさせてくれない」と苦笑する。

現役当時は工業用電機制御装置に関わってきた。国鉄やJRの車両洗車装置や自動車の骨組み部分の溶接などのうち、電気系統の部分を組み立てるのが仕事。会社勤めの後独立して5人程度の事務所を構え、大手企業の下請けを務めた。顧客の信頼も厚く、70歳過ぎまで続けてきた。

車と温泉とスキーが好きで、和歌山県の温泉はほぼ行き尽くし、草津温泉(群馬県)も行った。お気に入りは2200メートルの高地にある万座温泉(同)。どんな雪道でも通えるランドクルーザーで軽井沢から浅間山を通っては毎年出かけていたという。

そのような悠々自適な生活が、病気で中断を余儀なくされた。だがリハビリを重ねるうちに自信も回復。車はゆっくり自分で運転したいと望みをつなぐ。生活期に移ってもリハビリを続けながら、新しいリズムでのアウトドアライフを楽しみにしている。

前回のお話はこちら ⇒ ギランバレー症候群とリハビリ-筋力低下の難病克服へ-

次回は12月1日にご紹介いたします。

-当グループの広報誌“和音11月号”でも紹介しています。ご意見やご感想はこちらにお寄せください-

京都大原記念病院 総合相談窓口

TEL:075-253-1328 FAX:075-253-1329

関連記事

2017年10月01日
坂道で倒れ首の神経損傷 両手足の動き回復へ励む
2015年08月04日
大腿骨骨折とリハビリ -円滑に歩けることを目指して-
2015年06月29日
脳内出血の後遺症とリハビリ-リハビリに励む-
2016年04月01日
重心正し腹と股関節鍛え 義足付けての歩き方習う
2015年06月30日
脳内出血の後遺症とリハビリ-発症当時の様子-
2016年01月04日
脳内出血の後遺症とリハビリ 入念なリハで麻痺は改善