リハビリレポート

脳梗塞の後遺症 左半身と左顔面のリハビリ

一日も早い回復を願って、毎日一生懸命にリハビリに取り組む患者さんの日常をご紹介する「おおはらリハビリ日記」のコーナー

今回はOさん70代(取材当時)・女性に話を伺いました。

 

▼順調な中に左肩の不具合 握力や指の動かし方学ぶ

脳梗塞の後遺症で左半身と左顔面に麻痺が出ました。足のほうは早期に回復したので、主に上半身を中心にリハビリテーションを受けています。おかげで生活には支障がない程度に改善しましたが、左肩の筋力が弱く、抑えが利かないなどの不具合も残っています。病院でできる限り頑張って、退院後は在宅でのリハビリに円滑につなげていこうと思っています。

作業療法の時間は手のリハビリが中心です。握力グリップを使うのですが、左は右の半分以下の力しかありません。左手に力が入りにくく指が動きにくいので、初めのころは電気刺激を筋肉に当てて動きやすくしてもらっていました。かなり動きがよくなってきたので、木の斜面に1キロの重りをおいて両肩で差し上げたり、砂粘土をこねたり伸ばしたりして指を様々に使うなど、その日の具合に合わせて様々な指導をしてもらっています。

言語聴覚の時間は多くの図形の中から指示に従って〇や×をつける抹消課題やクロスワードパズルを行います。注意力を高めるのが狙いです。発声練習や文章の朗読もします。舌を動かしにくい部分が残っていたり、カ行音が言いにくかったりします。言語聴覚士さんからは「声量はあるので呼吸より発声を重点にしています」と説明してくれます。

理学療法の時間は体幹と足腰が中心です。肩甲骨のストレッチや仰向けや座位での腹筋運動など行いますが、おかげで肩周りがかなり動くようになった実感があります。

▼発症場所が病院で助かる 熱心な指導に心も前向き

昨年10月24日午後2時半ごろでした。その日は地元の小学校で高齢者の集まりがあり、バザーや演芸などの出し物が催されました。私の所属するグループもハーモニカを演奏したのですが、ちょうど終わった時に足がもつれ、保健室で休ませてもらいました。血圧が160以上あり、校長先生が「病院で診てもらったほうがいい」と救急車を呼んでくれました。血圧は220まで急激に上がったのですが、CTを撮ってもらい降圧剤を飲むなどで、その日は下がったので夕方帰りました。

翌25日は普通に家事をして過ごしました。26日は心臓病の定期検査の結果を聞く日で、午後2時ごろ再び病院に行きました。近くの薬局に薬を取りに行き、お金を払おうとしたとき、急に左半身が動かなくなり口がゆがむのが自分でも分かりました。病院で待ち合わせていた夫に動きにくい口で電話して、担当医師にもう一度診てもらいMRIを撮ってもらうと、右側の脳の血管が詰まっているとのことで、着の身着のまま、化粧もしたまま即刻入院することになりました。発症した場所が病院だったのは不幸中の幸いだったと振り返っています。

2週間安静の後、日に30分程度のリハビリを始めましたが、より密度の高いリハビリをしたほうが良いと主治医の先生に言われ、京都大原記念病院に転院しました。若いスタッフが多く、皆さん熱心で、私も指導に早くこたえたいという思いから、落ち込みを抜け出て、前向きに考えられるようになりました。指導を信じて頑張ってきたことが、ここまで回復できた要因だと考えています。

今の目標は日常生活をきちんとできるようになるとともに、料理、華道、ちりめん細工などの手作業、といった趣味を再び楽しめるようになることと車の運転ができることです。退院の日が近づいてきましたが、自宅に戻ってからも外来リハビリを続けるつもりです。

▼リハビリテーションプロフィール

Oさん(京都市左京区、71歳)クリスマスと年越しには許可を得て一時帰宅し、おせち料理を作った。数十種類も作り、スマホで撮って病院でも披露してくれた。見事な出来栄えに見えたが、本人は左手の抑えが利かないので、包丁で均一に薄く切れないのが悩みだったという。一時帰宅して家事を行い、困った部分をリハビリの時間に指導してもらうなど、早くから実生活を見据えて取り組んできた。

友人も見舞いに訪ねてくれた。ズボンや靴下を差し入れてくれて、特に靴下はきれいなデザインのものばかりで、患者仲間ら病院内でのコミュニケーションづくりにも役立った。

夫と二人暮らしで息子さんと娘さんが独立して近くに住んでいる。発症時は娘さんと一緒に泣いたというが、今では脳梗塞を患っているとは思えないほどに回復したOさんをいつも励ましてくれるという。

退院後のリハビリ継続のために御所南リハビリテーションクリニックを訪ねたところ「どなたが患者さんですか」と言われて同行してくれた友人と大笑いしたエピソードを、楽しそうに話してくれた。

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