リハビリレポート

右手が動く姿をイメージ 脳梗塞の後遺症で両手両足と言語に障害

一日も早い回復を願って、毎日一生懸命にリハビリに取り組む患者さんの日常をご紹介する「おおはらリハビリ日記」のコーナー

今回はUさん60代(取材当時)・女性に話を伺いました。

 

▼手すり歩行や階段の昇降 握力鍛えて発声も円滑に

脳梗塞で、両手両足と言語に障害があります。特に体の右側が動かしにくいのでずが、身の回りのことができてある程度の家事がこなせるようになるため、リハビリに励んでいるところです。
担当の療法士の3人は、無理なことは言わず、熱心に指導してくれのがありがたいです。

理学療法の時間は足の動きが中心です。手すりを使っての歩行や階段の上り下りを行います。退院後には昼間は自宅で一人になりますから、転倒した時の体の動かし方も教えてもらいました。おかげで万一の時もパニックにならずにすみそうです。

作業療法の時間はには手の動かし方と生活動作を中心に診てもらいます。小さなボールを左掌でころがして感覚を鋭くし、グリップを握って握力強化を心がけます。握力は左20キロに対し右は5キロしかなく、右手を鍛えて左右差をできるだけ縮めるのが課題です。

言語療法の時間には口の体操や早口言葉の練習が中心です。おかげで言いにくかったカ行音がかなり円滑に発声できるようになりました。肺活量のトレーニングとしてシャボン玉を吹いたりもしました。

屋外で行ったので周辺の山のほうへ飛んでいくのがきれいでした。楽しみながらリハビリをできたので、速く長く話せるようになったと思います。

▼周囲の励ましが動機づけ 右手が動く姿をイメージ

5月12日早朝、息苦しくなって目が覚めました。隣室の長女を呼ぼうとするのですが声が出にくく、やっとの思いで救急搬送してもらい、脳の血栓を溶かす薬を点滴で注入してもらいました。その時はまだ自力で階段を降りることもでき、右手で携帯電話の操作もできたのですが、治療が間に合わなかったのか翌々日あたりに体が動かなくなり寝たきりに近い状態になりました。

病院の紹介で5月31日に京都大原記念病院に転院しましたが、その時はまともに動くのは首だけで、酸素マスクをつけて鼻にチューブを入れ、寝台付きタクシーで運ばれました。
この病院では職員間の報連相が行き届いていて、全員で患者のことを見てくれている印象です。車いすから立って歩けたときには「こないだ立ってるのを見たよ」などと声をかけられ、「頑張らなあかん」と力が湧いてきます。

最初のころは右手は動かなったのですが、「絶対動く」との信念を持って、イメージトレーニングに努めました。少し動いた時には「神経が目覚めているので明日の朝にはもっと動いているはず」との自分に言い聞かせているうちに、少しですが動くようになりました。

10月には一時帰宅を行いましたがそれに備えて2週間、筋力アップを中心にしたメニューをこなしました。リハビリというよりトレーニングジムにいるような熱い期間でした。おかげで足は以前より上がるようになり14段の階段に30分もかかっていたのですが、今は休憩なしで5分で上がれるようになりました。

帰宅後も得意の料理ができるようにと、リハビリの調理実習ではキャベツのみじん切りなどを行いますが、包丁を右手で握ると疲れるので、利き手と逆の左に持ち替えるのですが、やっぱりイライラしてもどかしい部分はあります。

他にも右手の中指が曲がりにくいなど、まだまだ課題は山積していますが、退院後は無理をせず、できる範囲でリハビリに努めたいと考えています。

▼リハビリテーションプロフィール

Uさん(京都市伏見区、60代)16年前に夫を亡くし、京都駅の新幹線売店で販売員をしながら1男2女を育ててきた。勤務は朝6時から午後2時までで、毎日始発電車に乗って通っていた。

「そろそろ楽をしたら」という子の勧めもあり2年前に退職。その後も洗濯や食事の用意など家事は一手に引き受けてきた。退職してからの運動不足防止と新たな趣味にと、近くの寺のヨガ教室に月1,2回通い始めた矢先の発症だった。

それでも子3人が交代で毎週来てくれることが励みになった。リハビリ中のUさんを動画撮影して、改善の具合を見比べれるようにしてくれたこともあったという。「この病院では子供たちにも『私をどう介助すればいいか』を教えてくれるので、これからの生活について具体的にイメージできたのではないかと思います」と明るく語ってくれた。

車いすのまま乗れるように自動車の買い替えも検討したり、自宅のらせん階段の手すりを今の体の状態に合わせるにはどうしたらいいか考えるなど、帰宅後の生活設計に一生懸命取り組んでいる。

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