リハビリレポート

坂道で倒れ首の神経損傷 両手足の動き回復へ励む

一日も早い回復を願って、毎日一生懸命にリハビリに取り組む患者さんの日常をご紹介する「おおはらリハビリ日記」のコーナー

今回はTさん80代(取材当時)・男性に話を伺いました。

 

▼坂道で倒れ首の神経損傷 両手足の動き回復へ励む

転倒して頭を強打した際に首の神経の一部が押しつぶされた後遺症で、両手両足が動かしにくくなりました。自力歩行と生活に必要な動作が支障なくできることを目指して、京都大原記念病院でリハビリを受けています。転院したときは車いすでしたが、その後歩行器から杖歩行に移行できました。帰宅するときには杖も持たずに済むようにと日々励んでいます。

担当の療法士も一生懸命やってくれて、おかげでここまで回復できました。「リハビリの力はすごい」と感心しているところです。

作業療法の時間は主に生活動作の練習です。洗濯ばさみを大きくしたようなはさみを金属の棒に挟んでいったり、長く伸ばした粘土を箸を使って小分けしたり、豆粒大のプラスチック片を食器から食器へ移し替えたりと、食事などで支障が出ないように診てもらいます。

今も、手にしびれが残っています。それでも握力を図ってもらうと左右とも15キロ前後あり、以前より強くなりました。首の障害の影響か、歩くときに右足にカクンカクンする感覚があったのですが、こちらもだいぶ治ってきました。「回復が早い」とほめてはもらうのですが、何しろ経験したことがないので、自分ではよく分かりません。

作業療法士からは「歩行の際にかかとから着ける意識を持ってほしい」と言われます。退院時には、買い物や公共交通機関の利用ができるようになるのが一つの目標です。

理学療法の時間は歩行が中心です。外周路で20メートルの距離を最大で10往復します。足を踏み出したり、体を左右にひねったり、両足を後ろに引っ張ってももの前面を伸ばしてもらったりと、歩行に使う筋肉を動きやすくしてもらいます。合間には筋肉の負荷が一カ所に集中しないよう腰をほぐしてもらうこともあります。

7月末に理学療法士が杖を持ってきて「これで少し歩いてみてください」と言われました。怖かったのですが「後ろを支えているから」と言われ、以後は杖を使えるようになりました。「リハビリでこれだけ治るものか」と驚きました。

▼車いすから杖歩行へ回復 買い物や乗り物利用図る

6月5日のことです。私は15年前に急性胆のう炎で手術を受けて以来、近隣の病院で診察を受けて、薬の処方箋を発行してもらっています。その日も午前9時の予約でしたが外科、泌尿器科とも早く終わり、病院を出たら市バスが来るところでした。乗ろうとして駆け出したところ、そこは坂道で勢いがついて前方へひっくりかえってしまいました。

頭とひじ、ひざを強打して、駐車場の警備員の方が「どうもないか」と声をかけてくれたのは覚えていますが意識を失い、次に気が付いたのは同病院の中でした。MRIの検査を受けると、首の神経の一部が押しつぶされていました。すぐ入院し、コルセットをつけて、首が動かないよう顔の両側に砂袋を置いて、上を向いたまま寝たきりの状態で過ごしました。流動食だけだったので10キロほどやせました。

病院では車いすに乗せてもらってリハビリを開始しました。その後7月11日に京都大原記念病院に転院。その日からすぐにリハビリを始めました。

療法士や周囲の支えもあって段々と「治るかもしれない」という気持ちになってきています。退院までに自力歩行ができるように、今後もさらに励んでいきたいと思います。

▼リハビリテーションプロフィール

Tさん(80代、京都市左京区)転倒から17、8日後に両脇を抱えてもらって初めて立ち上がろうとしたら、両足がタコの足のようにクニャクニャで立てなかった。もう一生歩けないのではないかと覚悟したという。だがリハビリを重ねるうちに車いすから歩行器、杖と歩行のレベルを上げてきた。「リハビリの力はすごい」と、感心を隠さない。

京都市下京区内で父が経営していた友禅染の会社の外交を30年務め、室町筋の問屋と商談を重ねてきた。1987(昭和62)年に会社隣地で独立し呉服の小売りを開始。繊維業界での人生を歩んだ。75歳の時に商いを人手に渡して引退。「それからは年金生活です」という。

娘二人は嫁いで妻と二人暮らし。入院した際にはびっくりして、以後はバスで毎日のように見舞いに来てくれたという。

昔はゴルフを長い間やっていたが、最近はテレビ観戦する程度。体を動かすのはおもにウオーキング。自宅近くの鴨川や高野川、京都御所や下鴨神社、府立植物園などを回ってきた。帰宅してお気に入りのコースを歩くことを楽しみにしている。

関連記事

2016年01月04日
脳内出血の後遺症とリハビリ 入念なリハで麻痺は改善
2015年06月30日
脳内出血の後遺症とリハビリ-発症当時の様子-
2015年07月01日
脳内出血の後遺症とリハビリ-プロフィール-
2015年08月04日
大腿骨骨折とリハビリ -円滑に歩けることを目指して-
2017年08月01日
腰と首の病気の後遺症 歩行や日常動作を改善へ
2017年02月01日
親身な指導で徐々に回復 交通事故の後遺症で記憶と視野と運動に障害