リハビリレポート

腰と首の病気の後遺症 歩行や日常動作を改善へ

一日も早い回復を願って、毎日一生懸命にリハビリに取り組む患者さんの日常をご紹介する「おおはらリハビリ日記」のコーナー

今回はNさん60代(取材当時)・男性に話を伺いました。

 

▼3度の手術で全身不具合 歩行や日常動作を改善へ

腰部脊柱管狭窄症と頚椎症性脊髄症という腰と首の病気の後遺症で、上半身に力が入らず、歩きにくく、左太ももの下の筋肉がだるいなど、全身に複合的な不具合があります。柔軟性と筋力アップ、歩行や日常動作の向上を目指して、京都大原記念病院でリハビリに取り組んでいます。
 
2007年からこれまで、首と腰の手術を計3回受けました。同病院での入院も昨年に続き2回目になりますが昨年も今年も良くしていただいています。現在は2名の理学療法士が担当ですが、お二人を中心にスタッフ間で縦と横の連携がとても良く取れていることが驚きです。若い人特有の発想力と柔軟性も感じます。他のスタッフの方も、私が自主練習をしている時に声をかけてくれるのがうれしい限りです。
 
リハビリの時間は足首などの関節や筋肉ほぐしから始めてもらいます。ひと通り柔らかくしてもらった後は体幹トレーニング。四つ這いになって背中を持ち上げて体をトンネル状にしたり、片足ずつ後方に伸ばしたりします。
 
うつぶせになってのひざを曲げたり、仰向きになって両手の肘から先を立てたりおろしたり、個別の筋力強化にも努めます。ただひじ立てでは手に力を入れたり抜いたりのコントロールが効かず、グラグラすることもあります。かなり練習しているつもりですが、普通に動かす感覚を忘れてしまって、もどかしく思うこともあります。
 
それでも、右足がすごく柔らかくなったり、左のお尻も伸びるようになったりしたときは自分でも驚きです。
 
リハビリの目的は上半身の強化に加え、首の手術をしたのでふらつかないよう、安全に歩けるよう、また着替え、食事、整髪が自分でできるように、そのためには運動面で肩甲骨と肘から先が連動して動けるように、メニューにも気を配ってもらっています。
 
例えば、両太もも前面の筋肉が縮んでいるので両足に2.5kgずつの重りをつけて、ひざから下をベッドから出して15分から20分間ぶら下げていると伸びるようになったことなど、成果が出てきています。
 

▼人間関係に恵まれて成果 周囲を信頼して日々励む

2007年3月3日、乗っていた電車が乗用車と衝突した際、首にナイフで突き刺されるような痛みを覚え、以前から狭窄があったことが分かりました。事故のショックで両腕にもしびれが残ったので翌年9月に最初の首の手術を受けました。
 
それから1年4カ月たって、いったん走れるほどまで回復しました。ところが今度は腰が段々悪くなりました。その影響で左腿の裏側に激痛が走ったり、それが治まったら腰の不具合が戻らなくなったり…。
 
そんなわけで16年6月24日に手術を受けて翌月から12月まで京都大原記念病院でリハビリをしました。今年4月22日に再度の首の手術を受けて、現在は再びリハビリテーションを行っているところです。
 
最初の手術ではすねの骨を切って首に埋めたので一時期正座もできませんでした。そして、腰の手術の後は何回も転倒し「外の歩行訓練はもうしない」と周囲の人を困らせました。
 
それがこの病院では人間関係にも恵まれました。私はストレッチや自転車こぎ、歩行など自主練習も行うのですが、75歳の女性患者さんが写真を撮ってくれたのがきっかけで、周囲の方からアドバイスをもらうきっかけになりました。
 
昨年も車いすで入院して杖なしで歩いて帰ることができました。この病院では目標に対してスタッフの方が成果が上がるように全力で取り組んでくれますので、私も頑張って日々のリハビリに取り組んでいきたいと念じています。
 

▼リハビリテーションプロフィール

Nさん(60歳代、京都市右京区)「左手はどんな動きをするか、自分でコントロールできないこともあるので、左側に女性の先生が来ると意図しない反射で触ってしまわないか緊張します」と笑う。
 
電気のメンテナンスが仕事。以前は家電販売店を経営していたが10年前の父の病気を契機に店を閉めた。顧客をそれまでの得意先だけに絞って続けているが、復帰後も区切りが付けば廃業したいと考えている。
 
一方で趣味や活動は多彩だ。座禅は40年間続けている。コーラスは合唱団のベースパートを務める。団では第9やレクイエムにも取り組むので、復帰して挑戦したいという。さらには65歳になったら大学で数学を学びたいとかねがね思っていたので、近く具体化したいという。
 
昭和40年代に社会問題になった薬害スモン病の認定を、母親が受けていた。その関係で京都府の「患者の会」の理事を3年前から引き受けている。薬害発生から長い時間がたち、会が消滅した県もあるので、他県の2500人以上の患者も支えないといけない事情があるため、会からは復帰を待たれているという。
 
退院後は多忙ながらも充実した日々が待っている様子。そのためにもリハビリの時間と自主練習にかける思いは熱い。

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